フェイスブック・アーカイブ

斎藤清のふだん着のライフスタイル、斎藤清のクリエイティビティ、斎藤清美術館の企画展ニュース、ニュー美術館への実験的こころみ、斎藤清の町やないづ、アート・リラクゼーションの町やないづなど、こうした多彩な情報を斎藤清作品を通して発信して行こうと、斎藤清美術館公式フェイスブックはスタートしました。
第1回目は、2014年9月17日(水曜日)でした。

「フェイスブック・アーカイブ」では、スタート時から現在までの投稿テキストの中から、アクセス数の多かったコンテンツを中心にピックアップしてアーカイブとしました。
まとめて読んでみると、当時のことが手に取るように思い出され、ここから新たな夢、新たな企画が立ち上がってくるようです。
(一部、加筆修正しました)

2017年8月30日(水曜日)

明日、31日木曜日から、渋谷ヒカリエ8F「CUBE 1. 2. 3.」にて、アニバーサリー特別企画「ムンクX斎藤清」プレビュー展が開催されます。
9月10日(日)まで、入場無料です。

1950年代、戦後日本人初となる国際展受賞以降、世界各地の国際版画展に招待出品を重ね、Kiyoshi Saito の評価はいっきに世界を駆け巡りました。
しかし、1960年代半ばあたりから、京都などを描いた自らの抽象表現にしだいに懐疑的になり、深刻なスランプに陥ってしまうことに。
そんな時です、ムンクの作品と再び向き合うことになったのは。そして、抽象の「先」にある新しい可能性を見出そうとしました。

そもそも、斎藤清の基本姿勢は「単純化」と「構図」です。ここにムンクの作品を介すことで、対象の「内面性」へ向かうきっかけを得ることができたのですが。。。
「単純化」と「構図」をベースに、どのように対象の「内面性」を描き出そうとしたのか。
「内面性」を描こうとすることで、その「単純化」と「構図」をどう処理しようとしたのでしょうか。

アニバーサリー特別企画「ムンク&斎藤清」プレビュー展。
■2017年8月31日(木) 〜 9月10日(日)
am 11:00 〜 pm 8:00 最終日は午後6時まで
■会場/東京渋谷ヒカリエ8F 8/CUBE
■主催/斎藤清美術館
■後援/ノルウェー王国大使館
■協力/ノルウェー政府観光局 ノルウェー商工会議所

特別企画「ムンク&斎藤清」プレビュー展ポスター

2017年8月26日(土曜日)

来週木曜日、8月31日からです。
アニバーサリー特別企画「ムンクX斎藤清」、そのプレビュー展が始まります。
渋谷ヒカリエ8F「CUBE 1. 2. 3.」にて、9月10日(日)まで、入場無料です。

前回までは、エドヴァルド・ムンクとの関係性を物語る斎藤清作品をご紹介しました。
今回は、オスロのムンク美術館ご協力のもと、ムンクの代表的連作『生命のフリーズ』の一端をご紹介します。
あの『マドンナ』も『接吻』も『ヴァンパイア』も『叫び』も、『生命のフリーズ』の中の一作品なんです。

『生命のフリーズ』と言いますと、通常油彩画ですが、版画も連作で存在します。ムンクは、油彩画『生命のフリーズ』とほぼ同時期に、版画『生命のフリーズ』も制作していました。
プレビュー展では、版画『生命のフリーズ』のwall 1からwall 4まで、その一部をレプリカ展示します。
まだまだ多くの方々には知られていない版画ヴァージョンですので、とても希少な展示と言えましょう。もしかすると、公認レプリカで、版画『生命のフリーズ』をここまでまとめてご紹介するのは日本初かもしれません。(違っていたら、情報をくだされば嬉しいです)
オスロ美術館では、2013年ムンク生誕150周年の時に、『ムンク・オン・ペーパー』として展示しました。

接吻 ドライポイント/1895年

吸血鬼 (ヴァンパイア) リトグラフおよび木版/1895年

メランコリーⅠ 木版/1896年

不安 木版/1896年

叫び リトグラフ/1895年
© Munch Museum

2017年8月24日(木曜日)

いよいよ、来週木曜日8月31日から、東京渋谷ヒカリエ8F「CUBE 1. 2. 3.」にて、特別企画「ムンクX斎藤清」プレビュー展が始まります。
9月10日(日)まで、入場無料です。

1951年の戦後日本人初となる国際展受賞以降、抽象表現が世界の美術界のメインストリームだったこともあって、斎藤清は最も売れた版画家の一人としてアイドル並みの多忙さでした。
しかし、1960年代半ばあたりから、京都や奈良などを描いた自らの抽象表現にしだいに懐疑的になり、深刻なスランプに陥ってしまうことに。
「忙しい時代だった。ああ、こんな絵を描いていて、一体僕はどうなるんだろうと思ったら、急に描けなくなった。こわくて、三ヶ月間アトリエにも入れなかった」と、斎藤清。

そんな時です、もう一度、ムンクの作品と対峙することになったのは。
それまでの抽象化のプロセスでは当然のように切り捨てていた線や影などをあえて残すことで、抽象の「先」にある新しい可能性を見出そうとしました。そして、こうした線こそ、線の重なりこそ、かつてのクロッキーの中にあった描線だったと気付いて ──。
スランプ脱出のきっかけとなったのは、1940年代前後、若き日に描きためたクロッキー、ムンクの『病める子』『マドンナ』などを模写したデッサンの数々でした。

ムンク作品との再会以降、斎藤清は描く対象の内面性にも踏み込んでいきました。渋谷ヒカリエで、お楽しみください。

ヌード (G) 1966年 紙・木版
斎藤清曰く、「スランプ脱出のきっかけとなった作品」。

2017年8月19日(土曜日)

あと50日です、秋のアニバーサリー特別企画「ムンクX斎藤清」展まで。会津の斎藤清美術館にて、10月7日)〜10月29日(日)。
そのプレビュー展がもうすぐ開催です。
今月8月31日(木)から、東京渋谷ヒカリエ8F「CUBE 1. 2. 3.」にて、特別企画「ムンクX斎藤清」プレビュー展がスタート。9月10日(日)まで、入場無料です。

1951年、戦後日本人初となる国際展受賞以来、斎藤清は世界の国際版画展に招待出品を重ね、Kiyoshi Saitoの名は国際美術界においてますます広く知られる存在に ───。
特に、1952年、1955年には、アメリカで「斎藤清と彼の仲間たち展」「現代日本版画三人展」などが開催され、ニューヨーク・タイムズは斎藤清を絶賛しました。

「アメリカ人は、私のよき理解者だ」と、斎藤清。
それもそのはず、国際展受賞を境に、斎藤清は国内で周囲からのひどいやっかみや陰口に心を痛めていたのですから。
国際展受賞後、斎藤清はムンクへのトリビュートとして、ムンク作品と同名作品『嫉妬』を発表しました。それは同時に、斎藤清の当時の心情をモチーフにした作品でもあるような。

アメリカの友人たち曰く、
「あなたの絵が好きだし、私たちはあなたの絵が良いから買うのだ」。
「京都、奈良は、とても素晴らしい。あなたの描く京都、奈良を見てみたい」。
「パリに滞在して、あなたにパリを描いてほしい」。

エドヴァルド・ムンク自身も、当初、ノルウェー国内では評価されず、メディアを敵に回すだけでした。
特に、1895年秋、『叫び』や『マドンナ』など、クリスティアニア(現オスロ市)でのムンクの個展は不評で、警察沙汰になるほどの騒ぎでした。
そんな時、ノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセンがひょっこり個展にやってきて、ムンクを励まし、「キミには才能がある、敵が多いほど味方も多いものだ」と。

渋谷ヒカリエ8F「CUBE 1. 2. 3.」のプレビュー展会場入り口ポスターと、
国際展受賞後、海外との交流が深まっていった時期の作品から。

本屋、セーヌ、パリ 1960年 木版画

2017年8月16日(水曜日)

2017年は、斎藤清没後20年、斎藤清美術館開館20周年です。
今秋、会津の斎藤清美術館にて、アニバーサリー特別企画「ムンクX斎藤清」展が開催されます。10月7日(土)〜10月29日(日)まで。
これに先駆け、今月8月31日(木)から、東京渋谷ヒカリエにて特別企画「ムンクX斎藤清」プレビュー展が開催されます。9月10日(日)まで、入場無料です。

「国際展ということもあって、私の絵がいくらか有利であったとすれば、それは自然にひかれていったムンク、ゴーギャン、ルドンの影響ゆえかも知れない」と、斎藤清。
これは、1951年、第1回サンパウロ・ビエンナーレ展に木版画『凝視 (花)』を出品し、戦後日本人初となる国際展受賞時のコメントです。

斎藤清がムンクの作品と出会ったのは、1940年前後。
ムンクの初めての代表作『病める子』をはじめ、名作『マドンナ』などを模写し、光の明暗、濃淡など西洋近代技法を先人に学び、クロッキーに励みながら、自らの絵を作り上げてきました。
そして、ちょうどこの頃です、斎藤清の代表作『会津の冬』を描きはじめたのも。。。

また、ムンクへのトリビュート(感謝)だったのでしょうか。
国際展受賞後、斎藤清は、ムンク作品と同じタイトル作品『嫉妬』を発表しました。

アニバーサリー特別企画「ムンク&斎藤清」プレビュー展。
■2017年8月31日(木) 〜 9月10日(日)
am 11:00 〜 pm 8:00 最終日は午後6時まで
■会場/東京渋谷ヒカリエ8F 8/CUBE
■主催/斎藤清美術館
■後援/ノルウェー王国大使館
■協力/ノルウェー政府観光局 ノルウェー商工会議所

作品は、ムンク作品との出会いから、戦後日本人初となる国際展受賞時前後まで。

会津の冬 坂下 1938年頃 木版画

凝視 (花) 1950年 木版画

嫉妬 1952年 木版画

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