フェイスブック・アーカイブ

斎藤清のふだん着のライフスタイル、斎藤清のクリエイティビティ、斎藤清美術館の企画展ニュース、ニュー美術館への実験的こころみ、斎藤清の町やないづ、アート・リラクゼーションの町やないづなど、こうした多彩な情報を斎藤清作品を通して発信して行こうと、斎藤清美術館公式フェイスブックはスタートしました。
第1回目は、2014年9月17日(水曜日)でした。

「フェイスブック・アーカイブ」では、スタート時から現在までの投稿テキストの中から、アクセス数の多かったコンテンツを中心にピックアップしてアーカイブとしました。
まとめて読んでみると、当時のことが手に取るように思い出され、ここから新たな夢、新たな企画が立ち上がってくるようです。
(一部、加筆修正しました)

2017年9月28日(木曜日)

残り10日間を切りました。来月10月7日(土)から、会津の斎藤清美術館にて、アニバーサリー特別企画「ムンクx斎藤清」展が開催されます。

[開館時間]
午前9時〜午後5時 (入館は午後4時30分まで)。
[休館日]
開催期間中は休館日はありません。
[観覧料]
一般700円 (600円) 高•大学生500円 (400円) 
中学生以下無料
(カッコ内は15名以上の団体料金)

[アクセス]
磐越道・会津坂下ICから車で7分 (道の駅「会津柳津」となり)
[お問い合わせ]
斎藤清美術館 TEL 0241-42-3630

●主  催  やないづ町立斎藤清美術館
●共  催  ムンク×斎藤清展実行委員会、斎藤清画伯顕彰協議会
●特別後援  ノルウェー王国大使館

斎藤清没後20年、斎藤清美術館開館20周年の特別企画「ムンクx斎藤清展」図録も完成しました。その一部をご紹介します。
秋、会津の斎藤清美術館でお会いしましょう。

2017年9月23日(土曜日)

ちょうど2週間後です、あと14日。来月10月7日(土)から、会津の斎藤清美術館にて、アニバーサリー特別企画「ムンクx斎藤清」展が開催されます。

1951年の戦後日本人初となる国際展での受賞以降、斎藤清は、京都や奈良、アメリカやパリなどを描きはじめ、世界を旅しながら独自のモダニズムを究めつづけました。
ところが、あの「石庭」を描いた後に、「雨のミシガン」を描いた後に、「舞妓 京都 (H)」を描いた後に、1960年代半ばあたりから自ら描いた抽象表現に懐疑的になろうとは、深刻なスランプに陥ってしまうとは。。。
当時、世界の美術界も、抽象表現の大きな転換を迎えようとしていました。

そんな中、斎藤清は再び、エドヴァルド・ムンクと向き合うことに。
1940年代前後、若き日に描きためたクロッキー、そこに描かれていたもやもやとした描線、ムンク作品「病める子」などを模写したデッサンの数々、これらが抽象の「先」にある新しい可能性のきっかけとなりました。

それまでの抽象化の過程では当たり前のように切り捨てていた線や線の重なり、影などの見直しをはかって、風景の中にある精気、あるいはそこに息づく人々の思いなどをすくい取ろうとしました。
しかし、斎藤清本来の「単純化」と「構図」、そこにこうした対象の「内面性」をどう描こうとしたのでしょうか。

アニバーサリー特別企画「ムンクx斎藤清」展で、その過渡期となった作品、スランプ脱出瞬間の作品など、その変遷をお楽しみください。

石庭 1955年 木版画

雨のミシガン 1956年 木版画

舞妓 京都 (H) 1961年 木版画

ヌード (C) 1966年 木版画

2017年9月21日(木曜日)

アニバーサリー特別企画展まで、残り16日です。来月10月7日(土)から、会津の斎藤清美術館にて、特別企画「ムンクx斎藤清」展が開催されます。
斎藤清美術館で、斎藤清以外の作品が展示されるのは開館以来初めて。いわば、20年に一度の文字通りのスペシャル・エキシビジョンです。

1940年前後、クロッキーを独学していた頃、斎藤清は美術誌などを通して、ノルウェーの画家&版画家のエドヴァルド・ムンクの作品と出会いました。以来、順風の時も、世界の美術界の寵児となった時も、スランプに陥った時も、ムンクについて言及し、ムンク作品との接点も随所に見て取れます。

例えば、1966年作「瞳 (赤)」「瞳 (黄)」「瞳 (紫)」。
ムンクもかつてそうであったように、斎藤清も同じ版を使った色違いヴァージョンでシリーズ化を試みました。
背景のマチエールにも微妙な変化をつけることで、印象の異なる作品に仕上がり、見るたびに異なる息遣いが聞こえてくる作品です。
この「瞳」を制作した1966年、斎藤清はスランプに陥るも、若き日に描きためたクロッキー、そこに描かれていたモヤモヤとした描線、ムンク作品を模写したデッサンの数々など、これらがきっかけとなってスランプから脱出した時期でした。

特別企画「ムンクx斎藤清」展という同じ空気感の中で、斎藤清の作品と、ムンクの作品を眺めると、斎藤清は単にムンクの作品を模写して西洋近代技法を学ぼうとしただけでなく、画面処理上ではマッス(塊)として表現していることへの同質感、同志感など、模写という言葉だけでは言い尽くせないムンクへの深い思いも感じられます。
アニバーサリー特別企画「ムンクx斎藤清」展で、新しい斎藤清に出会ってください。

瞳 (赤) 1966年 木版画

瞳 (黄) 1966年 木版画

瞳 (紫) 1966年 木版画

2017年9月16日(土曜日)

ちょうど3週間後です、残り21日間。来月10月7日(土)から、斎藤清美術館にて、アニバーサリー特別企画「ムンクx斎藤清」展が開催されます。

斎藤清は、インタビューなどで、「必ずしも思想的なものではなく、作品から夢を感じたり、同室感を感じたり、自然に引き寄せられていった」、と。
これは、ムンクに対してのコメントですが、この「思想的なもの」とは何だろうといつも思っていました。
こうした推測が個人的ですけど、大好きです。考察なんて言いません、単なる推測です。これも、斎藤清作品の楽しみ方かもしれません。

1880年代、ノルウェーの首都クリスティアニア(現.オスロ)には小規模ながら、活動していた「クリスティアニア・ボヘーム」という前衛芸術家集団がありました。
ここの中心人物は、作家、思想家、評論家のハンス・イェーガー。ムンクは彼を個人的に尊敬し、イェーガーの肖像画も描いています。ムンクが執筆活動を始めたのも、「人生を著す」というイェーガーの考えに触発されてのことであり、後のムンクの代表的連作『生命のフリーズ』のコンセプト作りにもつながったとされています。
「マドンナ」「ヴァンパイア」「接吻」、さらに「叫び」など、ムンクの代表作品の多くはこの『生命のフリーズ』の中の一作品です。

「必ずしも思想的なものではなく」ということは、「僕は、ラジカルな前衛芸術家ではないけれど、ムンクの作品から夢を感じたり、同質感を感じたり、云々」ということでしょうか。
また、「ムンクの『死』への恐怖など、ムンクの死生観とはちょっと違うけど」ということでしょうか。
絵の作り方、表現の方法においては、マッス(塊)で描くという「同志的」存在であり、憧れであったのは確かですが。

特別企画「ムンクx斎藤清」展で、エドヴァルド・ムンクの作品と斎藤清の作品を通して、「ムンクを知ってもっと斎藤清が好きになる」をお楽しみください。

クリスティアニア・ボヘーム1 1895年 銅版画 (三重県立美術館蔵)

2017年9月1日(金曜日)

秋のアニバーサリー特別企画「ムンクX斎藤清」展、そのプレビュー展が始まりました。
渋谷ヒカリエ8F「CUBE 1. 2. 3.」にて、9月10日(日)まで、入場無料です。

展示会場は、wall 1からwall 4まで、それぞれのwallごとにムンクと斎藤清の関係性、それに基づく斎藤清作品が展示され、ムンクを通して新しい斎藤清に出会っていただければと。。。
ムンクと斎藤清の関係性は、ノンフィクションながらとてもドラマチックで、きっともっと斎藤清に「アイ・ラヴ・ユー」です。

wall 1:邂逅。
斎藤清とエドヴァルド・ムンク作品との出会い篇です。
wall 2:モダニズム。
1951年の国際展受賞後、斎藤清と世界との交流篇です。
wall 3:再会。
スランプから脱出すべく、斎藤清とムンク作品との再会篇です。
wall 4:昇華。
ムンクを超えて、斎藤清独自のイメージ構築篇です。

例えば、wall 1の1948年作『椿』。
ムンクの作品『病める子』を好んで模写した、その影響、余韻が『椿』の構図となって現れています。
wall 3の1964年作『パンジー』。
上記の1948年作『椿』の女性の横顔をここでは正面から見据えて描き、ムンクから影響を受けた作品をもう一度踏襲することで、ムンクとの同質性を俯瞰してみようとする態度がうかがえます。

そして、wall 4の1980年作『椿』。
ムンクがそうであったように、斎藤清も自らのいわばビンテージ作品の版木を再利用。
椿の背景に、1967年作品『瞑想』(本展展示作品)の女性を配すという新しい表現手法なども試みました。

同様に、wall 4『会津の冬 (71) 若松』。
「この絵は好きなんだ。寂しげだろ。静まりかえっている。会津に帰って初めての冬に描いたんだ」と、斎藤清。
斎藤清本来の「単純化」と「構図」、そこに「寂しげ」という感情を彫り込みながらも、一つの画面に矛盾なく同居させ、いわば斎藤清自らが抽象の「先」の新しい可能性として提示した作品と言えましょう。

椿 1948年 木版画

パンジー 1964年 木版画

椿 1980年 木版画

会津の冬 (71) 若松 1987年 木版画

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