フェイスブック・アーカイブ

斎藤清のふだん着のライフスタイル、斎藤清のクリエイティビティ、斎藤清美術館の企画展ニュース、ニュー美術館への実験的こころみ、斎藤清の町やないづ、アート・リラクゼーションの町やないづなど、こうした多彩な情報を斎藤清作品を通して発信して行こうと、斎藤清美術館公式フェイスブックはスタートしました。
第1回目は、2014年9月17日(水曜日)でした。

「フェイスブック・アーカイブ」では、スタート時から現在までの投稿テキストの中から、アクセス数の多かったコンテンツを中心にピックアップしてアーカイブとしました。
まとめて読んでみると、当時のことが手に取るように思い出され、ここから新たな夢、新たな企画が立ち上がってくるようです。
(一部、加筆修正しました)

2015年11月16日(月曜日)

前回に引き続いて、
12月2日(水曜日)から開催の「斎藤清版画展/オリジナル・モダーン」の展示作品についてご紹介しましょう。

斎藤清は、スケッチブックを携えて、世界の国々を旅し、多くの街々を訪れました。ニューヨーク、ボストン、アメリカ西海岸、サンタフェ、タヒチ、デリー、シドニー、プラハ、そしてパリ。。。そんな旅先で出会った風景、シーンをスケッチブックにかきとめ、それを独創的なモダニズムの構図として仕上げました。

斎藤清の評価は、世界から逆輸入というカタチで、日本国内に広まった経緯もありますから、彼の作品は、日本だけでなく、広く世界各国の美術館にも所蔵されています。ニューヨーク近代美術館、ボストン美術館、グレーター・ヴィクトリア美術館、東アジア美術館、などなど。

フォトは、世界の街々の中から、1962年作「雨、パリ(B)」。斎藤清が描いたパリのそぼ降る雨、ディテールなしとしと感、思わずルーペで見てみたくなる雨の描きよう、刷りようです。ルーペで見るほど、彼のパリへの思い入れが伝わってきます。

パリの悲しみに深く哀悼の意を表します。

雨、パリ(B) 1962年 木版画 斎藤清美術館所蔵
Rain, Paris(B)

2015年11月14日(土曜日)

来月、12月2日(水曜日)から開催の「斎藤清版画展/オリジナル・モダーン」。会場は、東京渋谷ヒカリエ8F「CUBE 1. 2. 3.」。入場無料です。

今回から、その展示作品について、ちょっとご紹介しましょう。「オリジナル・モダーン」のリード文、「誰の目にも見えなかった、斎藤清にだけ見えていたモダニズムの構図。」をウェブ上でも楽しんでいただければと思っています。

世界的版画家/斎藤清は、ふだんの風景の中にも、形の変化、色彩の明暗と陰影、その差異に面白さを見出し、それを表現するのに必要な部分と不要な部分を瞬間的に取捨選択して、理想とする「構図」へと導くことを自らのスタイルとしていました。

フォトは、斎藤清の女性シリーズの中から、1960年作「ショップガール パリ」。この年の前年11月、斎藤清はフランスを旅し、パリを訪れました。ショップガールのモデルとなったお店は、あのピエール・カルダン。そこで店番をしていた女性、斎藤清がその女性をスケッチする間、ずっと同じポーズだったとのことです。手の白さが印象的だったようです。うしろの箱はネクタイ入れ。

ショップガール パリ 1960年 木版画 斎藤清美術館所蔵
Shop’s Girl, Paris

2015年10月9日(金曜日)

いま、斎藤清没後20周年プロジェクト・チームは、昨年に引き続き、東京渋谷ヒカリエでの「斎藤清版画展」の準備をしています。この企画展は、2017年開催の斎藤清とエドワルド・ムンク共同企画展のいわば序章と言えるでしょう。

なぜ、斎藤清と、あの「叫び」のノルウェー人画家&版画家ムンクとの共同企画展なのか、その共通項を推測したり、見出したり、斎藤清のモダニズムの構図に皆さんのイマジネーションを解き放ってください。

会場は渋谷ヒカリエ8F「CUBE 1. 2. 3.」、2015年12月2日(水曜日)から12月13日(日曜日)まで。2016年斎藤清コレクション・カレンダー、ポストカード、各種美術館グッズなどもお取り扱いします。昨年の「斎藤清版画展」には、「CUBE 1. 2. 3.」での通常の企画展のおよそ3倍もの方々がお見えになりました。詳細は、これから随時アップしていきます。

フォトは、「凝視」。1950年代はじめ、発表早々、アメリカで高評価を得、いまでも高値が付いています。

凝視 1952年 木版画 斎藤清美術館所蔵
Steady Gaze

2015年10月3日(土曜日)

半年ものブランクが空いてしまいました。
でも、それを補ってなお余りある素敵なニュースをお届けします。

2017年、斎藤清没後20周年、斎藤清美術館創立20周年の記念祭としまして、福島県会津生まれの世界的版画家/斎藤清と、ノルウェー生まれの世界的画家&版画家/エドワルド・ムンクの、特別企画展が開催されることになりました。日時は、2017年の秋、会場は、やないづ斎藤清美術館、その他を予定しています。いま、その準備を着々と進めています。

ムンクといえば、世界的名作「叫び」が有名ですが、でもそれだけではありません。斎藤清同様、圧倒的な数の傑作を残しました。ノルウェーの首都オスロのムンク美術館だけでも、約1,100点の絵画、約18,000点の版画が所蔵されています。

先週金曜日、10月2日、東京南麻布のノルウェー王国大使館で打ち合わせをし、ここに正式に、斎藤清とエドワルド•ムンクの共同企画展開催の発表となった次第です。

これから2017年へ、そしてそれ以降も、斎藤清美術館のフェイスブックは、日々要チェックです。なぜ、斎藤清とムンクなのか、その理由もここで発表していきます。

ハニワ 1950年 木版画 斎藤清美術館所蔵
CLAY IMAGE

2014年11 月17日(月曜日)

東北の会津も、北欧ノルウェーも、もうすっかり冬です。気温も一桁台、積雪も記録しましたし。

1940年、斎藤清33歳。この当時、斎藤清はクロッキーの勉強に励んでいましたが、美術雑誌で目にした西洋近代画家ゴーギャン、ムンク、ルドンなどの作品が自分の心に語りかけてきたとのことです。『特に、ムンクに対しては、北欧的な幻想や夢に、東北生まれの自分が同質のものを感じ、絵は非常に複雑だが、画面処理上ではマッスの仕事であり、云々』。

ノルウェー人画家ムンクと言えば、あの『叫び』が世界的に有名ですが、ムンクは油彩だけではなく、生涯に約850点もの版画も手がけました。斎藤清の人物をテーマとした作品の中には、物憂いしい表情とメランコリックな姿態を造形化したものが数多くありますが、なかでも『影(A)』、『瞑想』などは、ムンクの木版画にも通じるとのことです。

左: 影(A) 1967年 コラグラフ 斎藤清美術館所蔵
Shadow(A)
右: 瞑想 1969年 ドライポイント 斎藤清美術館所蔵
Meditation

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