企画展のご案内
次回の企画展
写真は語る。画家の想い、生きざまを。冬季企画展「斎藤清と写真」来年1月6日より、開催。
前期:2026年1月6日(火)~ 3月29日(日)
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世界で唯一の、斎藤清の専門美術館である当館。
その所蔵対象は作品だけではありません。
愛用の画具や日用品、友人・知人と交わした手紙…
中でも膨大な数を占めるのが、写真や映像です。
なぜ、それらも大切に収集・保管しているのか。
それは、斎藤清を深く知り、その姿を正しく後世に伝えるために、
これらの資料がとても重要な役割を果たしているからです。
画家がいつ、どこにいて、誰と会っていたか。
どの作品を、いつ制作し、どこに発表したか。
今では所在が分からない、あるいは現存していない作品が、
写真や映像の中に写っていたというケースも。
画家や作品にまつわる事実を、リアルかつ正確に留める写真や映像は、
まさに「冷徹な証言者」なのです。
さらに、それらは時に、芸術家のまなざしそのものを映し出すことがあります。
イメージの構築に際し、写真を利用する画家は少なくありません。
彼らが所持していた写真は、その時々の関心がどこに向かっていたのかを伝えてくれます。
特に画家自らが撮影した写真は、彼の感性と視覚が投影されたものといえます。
とりわけ斎藤清は、構図に独自のポリシーを持ち続けた画家。
そして構図とは、写真の命。
そもそも両者は強い共鳴関係にあるのです。
そのような理由から、当館で現在も集め続けている写真や映像資料。
そこにピントを合わせて、斎藤清という画家を見つめます。
レアな写真がいっぱい登場しますよ。
もちろん、作品も!
ぜひお見逃しなく。
開催中の企画展
愛好家が教えてくれる斎藤清の新たな魅力。特別企画展「コレクターズ episode 2」開催。
前期:2025年9月13日(土)~ 10月26日(日) 後期:2025年11月1日(土)~ 12月21日(日)
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【コレクター Collector】
収(蒐)集家。
特に、組織から独立してコレクションを行なう個人の収集家を指すことが多い。
保存、公開、調査研究を目的とする美術館の「コレクション」とは異なり、
趣味やアーティストのサポート、投資など目的は多様で、内容も系統的だったり、無系統だったりと、
収集家の好みや意図を反映して様々である。
組織内での審議を経ないため迅速な収集活動を行なえることも特徴。
また個人コレクションが母体となって発展した美術館も少なくない。
(参考 『現代美術用語辞典』(アートスケープ)、『和英対照 日本美術用語辞典』(東京美術)等)
2022年、当館では「コレクター」というテーマで、
斎藤清の作品を紹介する展覧会を開催いたしました。
当館が所有していない、あるいは新出の作品との邂逅。
コレクターの美意識があぶりだす、斎藤清という画家の新たな魅力。
公立の美術館の収集方針とは全く異なるスタンスによって形成されたコレクションは、
いくつもの発見をもたらしてくれました。
そして2025年。
斎藤清を愛してやまない、2人目のコレクターの登場です。
郷里のある中国地方で長年理科の教員を勤め、
定年退職後は美術館あーとあい・きさ吉舎歴史民俗資料館の館長として、
地元の文化行政にも取り組まれた松島 俊宏(まつしま としひろ)氏。
斎藤作品との出会いは、黎明期のインターネットでした。
「山歩きも趣味にしていた自分には、いつまで眺めていても見飽きることはなく、それどころかかえって魅力が増す」
その作品、《浄智寺 鎌倉》(1972年)を出発点に、これまでに収集した斎藤作品は現在260点超を数えます。
松島氏のコレクションには2つの大きな特徴があります。
一つは、1940~50年代の貴重な初期作品の存在。
この時期は制作数自体が少ない上に、海外に流出しているものも多く、
中には、国内では松島氏しか所有していない作品もあります。
もう一点は、収集の範囲が作品以外にも及ぶこと。
作品に親しむうちに「斎藤清の生き方や人柄にも魅力を感じるようになった」という松島氏。
斎藤清についてもっと知りたいと、海外で開催された展覧会のカタログをはじめ、
斎藤清についての関連文献も幅広く集め、目を通しています。
制作者に対する深い理解と敬愛が土台になっているコレクションなのです。
本展ではその中から、99点の当館未収蔵作品や関連資料類を含む約200点を、
松島氏による解説コメントとともに紹介します。
有数のコレクターの目を通して浮き彫りになる、斎藤清という画家の新たな姿に、
きっと瞠目するはずです。
過去の企画展
多彩な水の姿に、一時暑さを忘れて。企画展「斎藤清 水・百態」6月21日より開催。
会期 2025年6月21日(土)ー8月31日(日) : 場所 斎藤清美術館第1展示室
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「水は方円の器に従う」「水清ければ月宿る」「水積もりて川と成す」…
水。
哲学者や文学者は、それに生きる教訓や世の理を見出し、
画家は、それの姿を捉えようと技巧を凝らす。
時に爆発的な破壊力を持って襲いかかり、情け容赦なく命を奪うが、
地球上のあらゆる生命活動の維持に不可欠な物質は、
数多の芸術作品の、まさに源泉ともなってきました。
その「水」を、斎藤清はどう描いたか。
雲母(きら)摺り、木目・彫り目、余白、墨。
多彩な絵画技法を駆使して様々なモティーフに挑み続けた画家の、
型にとらわれない、変幻自在の「水」のイメージをお楽しみください。
【会期・開館時間】
・2025年6月21日(土)~8月31日(日)
・9:00~16:30(入館は16:00まで)
【休館日】
・毎週月曜日
※ただし、7月21日、8月11日は開館、翌7月22日、8月12日休館。
【観覧料】
・一般 510円(410円)
・高・大学生 300円(200円)
・中学生以下無料
※( )は15名以上の団体料金
【ギャラリートークのご案内】
6月:22日(日)
7月: 6日(日)・21日(月・祝)
8月: 3日(日)・11日(月・祝)・24日(日)
時間:14:00~(40分程度)
過去の企画展
開催中! 企画展「斎藤清 祈りの形象学(フォルモロジー)」(6月15日まで)
会期 2025年4月12日(土)ー6月15日(日) : 場所 斎藤清美術館第1展示室・ライブラリーコーナー
画像をクリックするとPDFが開きます。
2025年、終戦80年を迎えます。
平和の尊さを改めて深く心に刻み付ける年。
なのに戦火は今もやむことなく、火種はあちこちでくすぶっていて、
憎しみと悲しみの応酬が繰り返されている。
だからこそ、斎藤清の作品を提示したいのです。
終生「慈愛」という言葉を愛し、祈りを描き続けた画家の姿を。
「会津の冬」と並ぶライフワークの一つであり、
多くの人々に愛されている「慈愛」シリーズをはじめ、
斎藤清による仏教的テーマを扱った作品約70点を紹介します。
聖なるもの、そしてそれらに向けられてきた数多の祈りに対する、敬意と慈しみ。
奈良の古仏や会津の石仏のイメージに込められた、
画家の深い想いに触れていただく展覧会です。
【会期・開館時間】
・2025年4月12日(土)~6月15日(日)
・9:00~16:30(入館は16:00まで)
【休館日】
・毎週月曜日 ※ただし、4月28日、5月5日は開館。
・5月7日(水)
【観覧料】
・一般 510円(410円)
・高・大学生 300円(200円)
・中学生以下無料
※( )は15名以上の団体料金
【ギャラリートークのご案内】
・会期中の第2・4日曜日
・ゴールデンウィーク中の土・日曜日
時間:14:00~(40分程度)
過去の企画展
「会津の冬」の次は、見たことのない斎藤清ワールドを。「これも斎藤清なの?」」開催!
会期 2024年11月23日(土)ー2025年3月30日(日) ※会期中、展示替あり。 : 場所 斎藤清美術館第1展示室

色調が暗くて、不気味なイメージも多いコラグラフだけど、どこかユーモラスだったり。
今回ご紹介するのは、
あえてあなたの期待を裏切る作品の数々。
例えば、1940-50年代の女性像。
例えば、マチエール蠢くコラグラフ。
会津の風景画とはあまりに異質なイメージゆえ、
同じ画家が描いたのかと驚く方、
中には、ちょっと敬遠してしまう方もいるかもしれません。
でも、「これも斎藤清なの!?」という作品にこそ、
斎藤清という画家の本質が色濃く反映されていたりするのです。
版材の豊かな表現性を絵画イメージに昇華させることへの飽くなき挑戦。
「ムンクやルドンに惹かれた」という言葉も頷ける、深い精神性や神秘性。
ユーモアのセンスに溢れ、時にけっこうアイロニカルだったりもするまなざし…
だから、どうかじっくり向き合ってほしいのです。
これらもまた、まぎれもなく、斎藤清。
意外な一面を知ったとき、
あなたは今よりもっと、この画家に魅せられているはずです。

本展は前期・後期で紹介。どちらもお見逃しなく。
冬季企画展「これも斎藤清なの?」
前期 2024年11月23日(土)~2025年1月19日(日)
後期 2025年1月25日(土)~3月30日(日)
【休館日】
・毎週月曜日※ただし、1/13、2/24は開館、1/14、2/25は休館
・年末年始(12月29日~1月3日)
・展示替期間(1月20日~24日)
【観覧料】
一般 510円(410円)
高・大学生 300円(200円)
中学生以下無料
※( )は15名以上の団体料金
【ギャラリートークのご案内】
一見とっつきにくい作品も、見どころが分かれば、きっと面白くなる!
◇開催期間中の第2・第4日曜日に開催。
◇いずれの日も、14:00~(40分程度)。



