次回の企画展
次回の企画展
愛好家が教えてくれる斎藤清の新たな魅力。特別企画展「コレクターズ episode 2」開催。
前期:2025年9月13日(土)~ 10月26日(日) 後期:2025年11月1日(土)~ 12月21日(日)
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【コレクター Collector】
収(蒐)集家。
特に、組織から独立してコレクションを行なう個人の収集家を指すことが多い。
保存、公開、調査研究を目的とする美術館の「コレクション」とは異なり、
趣味やアーティストのサポート、投資など目的は多様で、内容も系統的だったり、無系統だったりと、
収集家の好みや意図を反映して様々である。
組織内での審議を経ないため迅速な収集活動を行なえることも特徴。
また個人コレクションが母体となって発展した美術館も少なくない。
(参考 『現代美術用語辞典』(アートスケープ)、『和英対照 日本美術用語辞典』(東京美術)等)
2022年、当館では「コレクター」というテーマで、
斎藤清の作品を紹介する展覧会を開催いたしました。
当館が所有していない、あるいは新出の作品との邂逅。
コレクターの美意識があぶりだす、斎藤清という画家の新たな魅力。
公立の美術館の収集方針とは全く異なるスタンスによって形成されたコレクションは、
いくつもの発見をもたらしてくれました。
そして2025年。
斎藤清を愛してやまない、2人目のコレクターの登場です。
郷里のある中国地方で長年理科の教員を勤め、
定年退職後は美術館あーとあい・きさ吉舎歴史民俗資料館の館長として、
地元の文化行政にも取り組まれた松島 俊宏(まつしま としひろ)氏。
斎藤作品との出会いは、黎明期のインターネットでした。
「山歩きも趣味にしていた自分には、いつまで眺めていても見飽きることはなく、それどころかかえって魅力が増す」
その作品、《浄智寺 鎌倉》(1972年)を出発点に、これまでに収集した斎藤作品は現在260点超を数えます。
松島氏のコレクションには2つの大きな特徴があります。
一つは、1940~50年代の貴重な初期作品の存在。
この時期は制作数自体が少ない上に、海外に流出しているものも多く、
中には、国内では松島氏しか所有していない作品もあります。
もう一点は、収集の範囲が作品以外にも及ぶこと。
作品に親しむうちに「斎藤清の生き方や人柄にも魅力を感じるようになった」という松島氏。
斎藤清についてもっと知りたいと、海外で開催された展覧会のカタログをはじめ、
斎藤清についての関連文献も幅広く集め、目を通しています。
制作者に対する深い理解と敬愛が土台になっているコレクションなのです。
本展ではその中から、94点の当館未収蔵作品や関連資料類を含む約200点を、
松島氏による解説コメントとともに紹介します。
有数のコレクターの目を通して浮き彫りになる、斎藤清という画家の新たな姿に、
きっと瞠目するはずです。