やないづの家宝展

ちいさな美術館が記憶する、地域の宝物

「やないづの家宝展」は、2019年度から始まった事業です。
当事業では、斎藤清美術館の地域おこし協力隊が柳津町の人々に取材を行い、当地に眠るたくさんの「宝物」を掘り起こしてきました。
民具やお祭り、年中行事など、柳津町の生活の中には貴重な道具や文化が多く残されています。
そして、それにまつわる人々の形なき記憶や想いもまた、かけがえのない宝物です。
そんな「やないづの家宝」たちを、外部から柳津町を訪れた異郷人である地域おこし協力隊の視点ですくい上げ、
記録すると同時に、展示や冊子とすることで目に見える形とし、町内外へ発信してきました。
過疎化が進む中、存続の危機にある数々の「やないづの家宝」たちを伝え残したい。
そんな強い想いから、私たちは「やないづの家宝展」を行っています。

【やないづの家宝展】
展示期間:2019年9月21日〜12月1日  場所:斎藤清美術館 ホール・ライブラリーコーナー
【やないづの家宝展2020】
展示期間:2020年9月19日〜11月29日  場所:斎藤清美術館 ライブラリーコーナー
【やないづの家宝展2021】
展示期間:2021年12月11日〜2022年4月10日  場所:斎藤清美術館 ライブラリーコーナー

主催:やないづ町立斎藤清美術館 
協力:やないづ町民 他/筑波大学芸術専門学群

各大学との連携

当事業では美術大学と連携して、「やないづの家宝展」に関連したアート制作、作品展示を行うことでも、やないづの宝物たちを町内外へ発信しています。
町外の大学生たちは、柳津町に暮らす地域おこし協力隊とはまた違った異郷人の視点から、「やないづの家宝」を見出し、作品に落とし込んでいきます。

武蔵野美術大学

【「やないづの家宝展」旅するムサビによる公開制作】

初年度である「やないづの家宝展」では、武蔵野美術大学の 「旅するムサビプロジェクト(通称:旅ムサ)」に参加する学生たちが中心となって、柳津町の人々に取材を行いました。
この年のテーマはまさに「家宝」。
思い出のチケットや地域のおいしいお水、代々伝わる天神さま人形や温泉宿の古い道具、頼幹三郎の掛け軸に、ご先祖様が神職だったころの神札の原版……
実に多岐にわたる町の人々の宝物と、それにまつわる思い出のエピソードをもとに、学生たちは自由な発想で美術館での公開制作を行い、町の人々の家宝とともに美術館で展示を行いました。

筑波大学

【「やないづの家宝展2020」筑波大学学生による映像制作】

二年目である「やないづの家宝展2020」では、「民具」をテーマとし、当館の地域おこし協力隊がより町民の思い出や記憶を掘り下げて取材を行いました。
その取材風景を、筑波大学の村上史明氏指導のもと、筑波大学の学生たちがドキュメンタリー映像作品に仕上げました。
この取り組みの注目すべきは、コロナ禍で学生たちが一度も柳津町を訪れないままに映像を制作したという点。
地域おこし協力隊が撮った映像から、遠く離れた地で柳津町に思いを馳せながら作られたこの映像作品。
学生と地域おこし協力隊の二つのフィルターを通した「異郷人が見た柳津町」を活き活きと映したものとなりました。

【「やないづの家宝展2020」筑波大学学生によるメディアアート制作】

コロナ禍が縮小し、念願の柳津町来訪が叶った筑波大学の学生たちは、その来訪からインスピレーションを受け、メディアアート作品も制作しました。
地域おこし協力隊による取材映像を通して見ていた柳津町との印象の違いや、実際に感じた空気など、参加学生のそれぞれが目に見える作品にして、ウェブ上に公開しています。
画像をクリックすると作品公開サイトが開きます。

体感体験ラボ 2020

【「やないづの家宝展2021」筑波大学学生による制作「祈晴柳津鳥瞰図」】

「祭り・年中行事」がテーマであった三年目の「やないづの家宝展2021」では、前年度に続き村上史明氏指導のもと、筑波大学の学生たちが作品制作を行いました。
この年もコロナ禍の影響を受け、学生たちの柳津町来訪は度々延期や中止になりましたが、地域おこし協力隊による資料提供やリモートによる町民への取材を経て、柳津町を知り、作品のイメージを膨らませていきました。
そして完成したのが、柳津町を一望する鳥瞰図と、柳津町の伝統行事や伝承が登場するアニメーションが組み合わさった作品「祈晴柳津鳥瞰図(きせいやないづちょうかんず)」。
柳津町の、神仏と共存する暮らしに感銘を受けた学生たちは、祭りそのものではなく、祭りの日に向けて準備をする人々の姿をアニメーションに描きました。
「祈晴」とは、文字通り「晴を祈る」という意味です。
このタイトルにはハレの日(祭りの日)を待ち望む町の人々の思いと、柳津町のかけがえのない生活がこれからも曇りなく続きますように、そんな学生たちの願いが込められています。

「やないづの家宝展」報告書 バックナンバー

やないづの大切な宝物たちの記録が本になりました!
地域おこし協力隊による町民の皆様への取材内容や、大学との連携で制作された作品について、詳細をご覧いただくことができます。
画像をクリックするとPDFファイルが開きます。

  • 【2019年】

    「やないづの家宝展2019」報告書

  • 【2020年】

    「やないづの家宝展2020」報告書

  • 【2021年】

    「やないづの家宝展2021」報告書

当報告書の冊子版は非売品となっております。
冊子版をご覧になりたい方は当館他、やないづふれあい館、地域住民交流センター「ゆきげ館」、会津図書館等の公共施設をご利用ください。

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