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冬季企画展「コレクターズ episode 1」
前期:2021年12月11日(土)ー2022年2月13日(日) 後期:2022年2月15日(火)-4月10日(日)※毎週月曜日及び年末(12/29~31)休館。ただし、1/3(月)・10(月・祝)、3/21(月)開館、1/11(火)、3/22(火) 休館
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【コレクター Collector】
収(蒐)集家。
特に、組織から独立してコレクションを行なう個人の収集家を指すことが多い。
保存、公開、調査研究を目的とする美術館の「コレクション」とは異なり、
趣味やアーティストのサポート、投資など目的は多様で、内容も系統的だったり、無系統だったりと、
収集家の好みや意図を反映して様々である。
組織内での審議を経ないため迅速な収集活動を行なえることも特徴。
また個人コレクションが母体となって発展した美術館も少なくない。
(参考 『現代美術用語辞典』(アートスケープ)、『和英対照 日本美術用語辞典』(東京美術)等)
美術作品を手に入れる。
美術愛好家にとって究極の喜び。
時にそれは、個人の想いをはるかに超える、大きな意義を持つことがあります。
ゴッホ、ゴーギャン、モディリアーニ、村山槐多、関根正二…
独自に新しい表現様式を開拓し、後世の人々に大きな影響を与え、美術史にその名を刻む、偉大な芸術家たち。
彼らの多くは、あまりに先をいくイメージゆえに、同時代人にはほとんど理解されないまま、生涯を終えました。
そのまま忘れ去られ、作品も散逸、その功績は永久に失われていたかもしれない―
そうはならなかったのは、
そこに、彼らと同じ先を見通す眼と感性を持つ「コレクター」がいたから。
先進的な芸術家が生きている時に、優れたコレクターがいるということ。
その幸運が、作品が正しく後世に伝わるか否かの命運を分けるのです。
斎藤清にも、その作品、その人となりを愛してやまないコレクターが数多くいます。
現役の医師として活躍されている山下武右(やました たけすけ)氏は、
偶然の出会いから斎藤清の作品を知り、
「affinity(肌が合う)のあるもの」をポリシーとして収集を続けられています。
斎藤清への想いと、独自の審美眼を通して選び抜かれたコレクションの特徴は、
1950年代-60年代作品の充実ぶり。
実は、一般の認知度や人気は、決して高いとは言えない作品群です。
しかし、斎藤清という芸術家を語る上で、
この50-60年代というのは、その後の唯一無二の版画表現形成へと至る、極めて重要な時代。
その優品を数多く有しているのが、山下コレクションなのです。
この貴重な作品たちをまとまって見られるのは、
2017年、地元・周南市美術博物館で開かれた大規模な斎藤清展以来のこと。
さらに本展で紹介しているものはすべて、当館未収蔵作品となります。
おそらく最初で最後の機会。
斎藤芸術の原点にして、その豊かな実りを今に伝える稀有のコレクションをお楽しみください。
※新型コロナウィルス感染症拡散防止のため、開催期間が変更・中止になる場合がございます。
その際は、当館HP等でお知らせいたします。
ご理解・ご協力のほどお願い申し上げます。