公開日 2023年11月01日
更新日 2023年11月01日
「あの子、大丈夫かな」。あなたの周囲に、虐待が疑われるようなこどもはいませんか。
児童虐待のほとんどは、家庭という密室の中で起こっており、時には「しつけ」と称して、暴力が振るわれることも。
こどもや保護者の様子に「何か変だ」と思ったら、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」(いちはやく)に電話してください。
こどもを守るためには、周囲の人たちが虐待にいち早く気づき、救いの手を差し延べる必要があります。
児童虐待とは?
児童相談所の相談対応件数は年々増加しており、令和3(2021)年度の速報値は20万件を超えています。また、保護者が「しつけ」と称して暴力、虐待を行い、死亡に至るといった重篤な結果につながるものもあります。
虐待の種類は、こどもを殴る・蹴るなど体に暴行を加える「身体的虐待」、性的行為を強要する「性的虐待」、こどもの保護を怠ったり養育を放棄したりする「ネグレクト」、言葉や態度などでこどもの心を傷つける「心理的虐待」の4タイプに分類されますが、いくつかのタイプの虐待が複合して起こることが多いと言われます。
こうした虐待は、こどもの体と心を深く傷つけ、体の成長や脳の発達に影響を及ぼしたり、心の傷(トラウマ)が残ったりすることがあります 。
児童虐待の種類
身体的虐待
- 殴る、蹴る、叩く
- 投げ落とす、激しく揺さぶる
- やけどを負わせる
- 溺れさせる、首を絞める
- 縄などにより一室に拘束する など
性的虐待
- 性器などをさわろうとする
- こどもに性的行為を求める
- 性的行為を見せる
- 性的な写真の被写体にする など
ネグレクト
- 病院につれていかない
- 食事を与えない
- 置き去りにする
- ひどく不潔にする
- 自動車の中に放置する など
心理的虐待
- 「生まれてこなければよかった」など、言葉の暴力
- きょうだい間の差別
- 無視する
- こどもの目の前で家族に対して暴力をふるう(面前DV) など
周囲の人が児童虐待に気づくには?
虐待を受けているこどもだけでなく、虐待をしている保護者にも特徴的な行動や状況(サイン)が現れます。
例えば、次のような特徴が見られ、一つだけでなく、複数の項目に該当したり、頻繁に見られたりする場合には虐待が疑われます。
児童虐待のサイン
こどもに見られるサイン
- 説明できない不自然なアザや火傷のあとがある
- 衣服や身体がいつも汚れている
- 急にやせた
- 表情が乏しい
- 落ち着きがなく、乱暴
- 家に帰りたがらない
- 夜遅くまでひとりで遊んでいる
- 親を避けている
- 親がいなくなると急に表情が晴れやかになる
- 拒食、過食、むさぼるように食べるなどの異常な食行動 など
保護者に見られるサイン
- 家の中や外が散らかっていて、不衛生
- 近隣からの苦情や悪い噂が多い
- 近所との交流がなく孤立している
- こどもの健康や安全を考えない
- こどもを置いて外出している
- 人前でこどもを厳しく叱る・叩く など
児童虐待かも?と思ったら
もし「児童虐待かも?」と思ったら、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」(いちはやく)にお電話ください。発信した電話の市内局番等から(携帯電話等からの発信はコールセンターを通じて)当該地域を特定し、管轄の児童相談所に電話を転送します。
「189」(いちはやく)は
- 匿名でお電話できます
- 電話した人の個人情報や電話の内容に関する秘密は守られます
- 虐待の連絡だけでなく、自分の育児の悩みも相談できます ※一部のIP電話からはつながりません。
※一部のIP電話からはつながりません。
虐待されている確信がなくても連絡してください
電話をする際は、「もし違ったらどうしよう」「児童虐待かもしれないけど、確信が持てない・・・」とためらってしまうかもしれません。しかし、連絡する方が虐待かどうかを判断する必要はありません。連絡がなければ、もし虐待があった場合、こどもはその被害を受け続けます。早期発見できれば、問題が大きくなる前に解決できます。児童虐待は社会全体で解決すべき問題です。虐待のサインを少しでも感じたら、ためらわず連絡してください。